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Yagi Kahori Photography
東日本大震災の年、私は中判のフィルムカメラを受け継ぎました。その翌年カメラを携え向かったのは福島県。親族が住んでいることもあり、以前から何度も赴いている身近な土地でした。
原発事故の影響も重なり浜通り地区へ出向く決意に時間を要しましたが、震災から三年後いわき市へ。小名浜、平、四倉町を歩きました。また当時乗降可能な常磐線の駅のうち、福島第一原子力発電所に関する避難指示区域との境界に一番近かったJR広野駅でも下車し撮影しました。
震災の年に譲り受けたカメラで撮った写真は、必然的に震災後の福島県を見える形で残す手段となりました。フィルムカメラであることも、それらを手にしたタイミングも、福島県が身近な存在であることも偶然ですが、これらの要素が重なったからこそ撮れる写真があります。
今回はナダール東京の企画展「めざせ個展」ナダール賞の副賞として開催する写真展です。前回の「ここにあること」展から十年、福島県を中判で初めて撮影してから十二年が経ちます。本会ではこれまでの軌跡を作品とともに振り返ります。
八木香保里 写真展
ここにある
2024年10月16日(水)- 10月20日(日)
11:00-18:00 最終日は16時閉廊
ナダール東京/世田谷
東京都世田谷区世田谷1-41-2 スカイコート第3 108
https://g-nadar.net/
写真展「ここにある」から五日後の10月25日(金)から十日間は、東京都品川区のフォトカノン戸越銀座店にて福島県双葉郡広野町で撮影した写真展「それから」を開催します。
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